高齢者に優しいバリアフリー

　加齢の準備はリフォームの大切なテーマです。しかし、将来どこが負担になるかは、すべて見通せるわけではありません。あらためて工事をするかもしれませんが、最小限にすむような準備をしておくといいでしょう。特に手すりは現在不要なものを多く付けておくより、後で追加しやすいように下地を補強しておくほうが得策です。
　段差の解消については全部フラットにすればいいっていうものではない、という考え方もあります。空間にメリハリがなくなると、足腰が弱り、感覚も鈍くなってしまう懸念があるからです。段差は、あることが分かりづらい中途半端な高さが危険なのです。また、段差は玄関、ドアの下枠、浴室の出入り口など、いたるところに存在するので、これをすべてフラットにしようと思うと、大掛かりな工事が必要となります。バリアフリー工事に対しては、条件をクリアすれば介護保険や市町村村の助成金などから援助が受けらます。一度、自分が住んでいる地区の行政機関に問い合わせてみるといいでしょう。
　高齢者に優しいバリアフリー住宅は、高齢者以外の人にとっても住みやすい住宅です。老若男女を問わず、これからの住環境を考える上でバリアフリーの考え方は欠かすことのできない大切な要素だと思います。